
5年前のnew year's eveは、グアテマラのパナハッチェルという村にいた。大晦日を生まれて初めてひとりで過ごした。バンバンバンッというものすごい音で目が覚める。時計を見ると11時59分。しばらくして幾つもの花火が打ち上げられるのが聞こえた。宿の部屋でひとり眠っていた私は、年が明けたことを知る。そしてまた眠りについた。
私はその日メキシコを発ち、何度もバスを乗り継いで、世界一美しいと言われる湖Lago de Atitranの湖畔にあるその小さな村にたどり着いた。2ヶ月近くいたメキシコを離れて、なにも大晦日に移動しなくてもいいだろうと言われたけれど、その時は先へ進まずにはいられなかったのだ。その日の日記を見るとこう書いてある。「誰かに出会えばその場所に居着くことになる。一緒にいたい人がいる場所が私の居場所なんだ。」って。その誰かを必死に探していたのかもしれない。
さて、今年の大晦日は家族揃って友人の家に招かれ、賑やかに過ごした。南米コロンビア出身の人々が集まったので、みんな踊り続け、12時にシャンパンをあけ、それから食事をした。コロンビアでは、年明けに13個の葡萄を食べるという仕来たりがあるそうで、私も言われたように、ひとつひとつに今年の願いをかけて葡萄を食べた。
家族や友人に囲まれて暖かい気持ちで迎えられた新年。それでも5年前の大晦日のことを思い出すと、人はどこまでもひとりなのかもしれないという感覚に襲われて、それが悲しいとか言うんじゃなくて、宇宙の法則を知ってしまったような、ただちょっと切ない気持ちになるのだ。
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