若い時ほど、観た映画のイメージが鮮明に心に焼き付く気がする。今では本当に心に残る映画というのはめったにないのだけれども、それでも週に2本は家で映画を観ている。
お正月にパートナーが選んできたのは日本映画。といっても台湾の候孝賢(Hou Hsiao-Hsien)監督の『珈琲時光』(Cafe Lumiere)で、小津安次郎百年誕生記念として撮られたものだ。
東京で一人暮らしをするようこの生活を淡々と描く。ようこに密かに想いを寄せる青年、妊娠したけれど結婚はしないと告げるようこを心配しながらも言葉をかけられないでいる両親などが登場するのだが、彼らが自分の隣にいても不思議じゃないほど、とにかくリアルなのだ。小津監督へのオマージュとして日常を静かに切り取るように浮かび上がらせながら、候監督のこだわりが、行き交う電車のシーンなどに表れている。
6年以上帰国していないからではなく、私がまだ東京に住んでいたとしても、郷愁を感じる映画だと思う。
次に観たのはフランス映画で"Iruma Vep"(1996) 香港スターのMaggie Cheungが彼女自身の役で主演する。でもやっぱり彼女は香港または台湾映画のなかで演じている方がいいな。ずっと前に日本で観た"Love Song"(邦題)という映画がとてもよかった。
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